そんなフラッグスタッフ・プロジェクトは、何人かのミュージシャンの協力で進められていましたが、その中に鎌田俊哉という人間がいました。彼はミュージシャンではなくプロデューサーで、一連のSMAPのヒット作を世に送り出し、沖縄の女の子デュエットKiroroなども作ってしまった男です。 なんでアイドルものの、名プロデューサーが一緒にやっているかというと、彼とは十年来のつきあいなのですが、彼のプロデュースしたSMAPの楽曲などは、New Yorkのバリバリのスタジオミュージシャンを起用し、エラくカッコイイSoul Musicに仕上がっています。ご存じの方も多いでしょう。 彼は本当に音楽が好きで、やはり志すものは我々と同じなんだなと感じます。現在、私が考え得る一番信頼出来るプロデューサーです。彼こそが、我々のデモテープをいろいろなレコードメーカーに持って行ってくれ、ここまで立派なaosis records実現の立て役者なのです。 そんなある日、彼が私のスタジオに来るなり「新川さん、CTIみたいのやろうよ。」と言い出しました。突然何を言い出すのかと思いましたが、これにはハっとしました。私もCTIは学生時代に聴いた、自分のルーツのようなアイテムで、今回のデモテープにもだいぶ反映させていましたが、こうダイレクトに言われると、ビックリしました。でもこの多少語弊はあるものの、一言で端的に表現し、人々の興味と信頼を勝ち得てしまうあたりが、彼の名プロデューサーたる所以なのかなと思いました。 ここでCTIとはなんぞやという人達の為に、簡単にCTIを説明しよう。 CTIとは1960年後半からはじまった、A&M Recordsの中のレーベルで、クリード・テイラーというプロデューサーが作ったジャズレーベルです。 それまでのジャズのレコードとは違い、ジャズ・コンボにオーケストレーションを施してみたり、当時のトップジャズ・プレイヤーにポップなビートルズの曲を演奏させてみたり、そしてレコードジャケット・デザインは、最先端の写真家を使い、垢抜けて革新的なものでした。 そのCTIは、当時イージーリスニング・ジャズなどと言われ、生粋のジャズ・ファンには眉をひそめられた事もありましたが、音楽ファン以外の層にも支持され、幅広い音楽ファンに受け入れられました。その後、このイージーリスニング・ジャズというジャンルは、クロスオーバーの基礎となり、フュージョンに発展し、AOR、そしてスムース・ジャズとなり、現在に至るまで脈々と続いてきています。 このジャズという限られたファンのみに受けていた音楽を、広く一般的に分かりやすく、しかもカッコよく展開したクリード・テイラーの功績は非常に大きく、もっともaosisのお手本になるところです。
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