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Primalroots
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新川 博 新川 博 新川 博 nanan nanan garp garp


新川 博
\2,400 (plus tax)
【 Primalroots 】

COMPACT DISC
VICL-69001 / aosis records / Victor Entertainment,Inc.

Primalroots / 新川 博

Title List
Recording Data
Liner Notes
Liner Notes

「そもそものスタートは本当にシンプルな考え方で、スタジオ・ミュージシャンは人のために仕事してきたわけだけど、そろそろ自分と自分の周りの人たちのために仕事していい年齢だろうし、何か形にして残していくことをしなきゃ…。と、去年の春、具体的には何も決まってない状態で、本当に仲間うちでやっていくことにした」

このアルバムをはじめとする全12作品一挙同時リリースをもって新しいレーベルとして名乗りをあげることになった【aosis】だが、その“言い出しっぺ”が誰かといえば本作の主人公――新川博、アレンジャー/プロデューサー。1955年東京に生まれ、大学在学中からハイ・ファイ・セット、松任谷由実のツアー・キーボード奏者として活動。

ライヴの編曲を手掛けたことからスタジオ録音の編曲へ、さらにはプロデュースへと乗りだし、数年前からは自身のスタジオを拠点に活躍している。その約20年の道程を彼は「正常進化」と語ったが、それ以前はというと、けっこう色々ある。

5歳で習いだしたピアノだが、「女の子の習い事」がやめたくてしょうがない小学校中学年にエレキ・ギターの音を初めて耳にし、ギターへ。そして小5の時に隣のクラスのギターやってるヤツ(Char!)とバンドを組む。花形ギターの座はヤツに譲り博少年はベースになったが、中一の時にヤマハのコンテストに出場。制限時間5分のところクリームのライヴ盤<I'm so glad>の完全コピー(25分)を完奏、優勝する。

が、高校に入り、セルジオ・メンデス・ブラジル66の音楽に遭遇したのを機にベースからピアノへ。その頃にはギターのコードからわりだし自作したコード・ブック(ピアノのそれは当時なかった)という武器もあり、そいつを抱えて身軽に音楽する場へ…。というのがハード・ロック時代を経た後の、今の活動に繋がる原点だ。

「20歳頃から若い人むけのヒット曲をたくさんやってきたけれど、自分が作る音楽と実年齢はだんだん離れていきますよね。それに音楽聴くのも仕事の聴き方になる。でも、ミュージシャンになったのは音楽が好きだったからじゃないですか?!」

人のための仕事をある意味で自分のために必要以上に難しい編曲をしたりもした、若げの至りに気づいたことから他者を思いやる仕事ができるようになった。しかしバンド・ブームやコンピュータで作るセルフ・プロデュースの時代到来で、スタジオ・ミュージシャンの状況は変わった。キーボードはさほどではなかったもののドラムやベースの仕事は目に見えて減じ、おととし〜去年あたりはそのピークだったという。

が、たとえばツアーに出て長い時間を一緒に過ごす中で、あるいは新川さん自身のスタジオでも仕事終了後に、自然と語らう中から出てくるのが「今のままでいいのかな?」「お金にならなくても何かやったほうがいい」「何かやろうよ!」。そうしたあれこれが積み重なること4年、「じゃあ…」と遂に行動に移したというわけだ。

「自分を見つめ直すいい時期になったんですよ。最初はこんなに大掛かりになるとは思ってなかった。でも、時代が後押してくれてるって感じがすごくあるんです」同年代の人が懐かしいなと思えることを今のヴァージョン――【aosis】の基本コンセプトであり、新川さんが自身のデモを作りだした時のコンセプトである。その上で、編曲/プロデュースする彼からの「サウンドの提案」というイメージで作られた『Primalroots』。

ブラジルの偉大な作家A.C.ジョビンの<The Girl from Ipanema>。ブラジル人キーボード奏者ワルター・ワンダレーがCTI作品で取り上げた<SoulfulStrut>。また<A man and a woman>は映画『男と女』のテーマ曲だが、作詞したピエール・バルーは劇中でもボサノヴァを歌い同映画は仏〜欧州のボサノヴァ人気を先駆けた。と、新川さんが再びピアノを手にするきっかけとなったセルメンと繋がるカヴァー3曲、そして自作も、彼のルーツ〜キャリアと関係深いものばかり。しかしこれ以上のルーツはないといえるのが高名な日本現代詩人、新川和江さんの朗読が聴ける<雨に>。幼い頃ピアノの発表会で連弾して以来の親子共演だ。

「本があふれる家、本を読みなさいと言われた。“お袋の詩の部分”に反発するように音楽やってたとこがある。でも30歳過ぎて、詩か音かは、メッセージを伝えるための道具の違いでしかないって気づいた。ラップがあるんだからこういうのがあってもいい。“歌う詞”だけじゃない“日本語の詩”を、音楽と融合して伝えたかった」生まれた時から聞いてきた母親の声を録り「マイクや機械の特性がはっきりわかった」という。その曲には「ピアノは弾くけれどピアニストという意識はあまりない」と語った彼の“ピアノ弾き”の顔が見える。表題の由来はいわずもがなだが本作の音楽と逸話は、自身を見つめ直すことの大切さを語りかけてくれてるように私は思う。

「わざわざ“25歳以上の方へ”なんて書いてあるのは、色々な人に受けようとは思ってないから。同年代の人たちに向けて発していきたい。僕ら“ミュージシャン一揆”って言ってるんだけど、社会現象にはしたいし、たとえそうは売れなくても続けていくこと、持ちこたえていくことが大事だって気がしてるんですよ」



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