1.Up Up and Away 60年代後半に活躍したアメリカのコーラス・グループ“フィフス・ディメンション”の67年のヒット曲で、全米7位を記録した。ゴージャスなサウンドとヴォーカルがひとつになり、nananのセカンド・トリップの始まりを告げている。山本潤子の透明感のあるヴォーカルも曲に見事にフィットしている。
2.MAS QUE NADA ブラジルを代表するソングライター、ジョルジュ・ベンの代表曲で、66年にセルジオ・メンデス&ブラジル66がヒットさせておなじみとなった。こういったゆったりとしたサンバは、nananの独壇場だ。そしてハワイの空気が、そのリズムをさらにゆったりとさせている。nananのメンバーとハワイの空気がひとつになった、音楽のマジックともいうべきサウンドが展開されている。
3.A Bord of Affection 高水健司のオリジナル。“ベースをさわってたら、自然にできた”曲だそうだが、彼のロマンティックな面がうまく表現されたナンバーだ。ベースとギターよるテーマのメロディが美しい。高水健司と吉川忠英のソロも素晴らしく、彼らの歌心の豊かさがよく表われた楽曲だ。
4.No More Blues ブラジルが生んだ偉大なる作曲家、アントニオ・カルロス・ジョビンが58年に作曲したナンバーで、スタン・ゲッツ、カーメン・マクレエなども取り上げている。浜口茂外也が初めて好きになったボサ・ノヴァの曲で、当時はジョビンのレコードを擦り切れるぐらい聴いたそうだ。浜口茂外也のヴォーカルが、いい味を出している。このゆっくりとしたリズムも、簡単に出せそうで、実はなかなか出せない。nananならではの演奏だ。
5.La Mer 古いシャンソンのナンバーで、アメリカでは英訳されて「Beyond The Sea」というタイトルでヒットした。シャンソン、ポップスのフィールドを問わず、多くのシンガーが取り上げている。ビギンのリズムに乗って、アコーディオンとマンドリンが、オシャレなメロディを奏でていく。音の隙間を感じさせながらも、密度の濃いサウンドはさすがだ。
6.This Guy's in Love with You ポップス史上最高の作曲家バート・バカラックと、作詞家のハル・デヴィッドとの名コンビによる初めての全米ナンバー1ヒット。68年にトランペッターのハーブ・アルパートがヒットさせ、翌年ディオンヌ・ワーウィックが“This Girl's〜”のヴァージョンをヒットさせた。シンプルな楽曲だが、それがかえって心に染みる。ヴォーカルのバックでさりげなく鳴っているウクレレの音色も効果的だ。
7.Over the Rainbow 39年の映画『オズの魔法使い』の主題歌で、主演のジュディ・ガーランドが歌い、同年のアカデミー賞映画主題歌唱を受賞した。吉川忠英が“ずっと前からこういうアレンジで演ってみたかった曲”というナンバーだが、サンバのビートと、口笛によるメロディというアレンジがとても新鮮だ。聴いている方もウキウキとしてくるような、ハッピーなナンバーに仕上がっている。
8.A Distant Past ラストは高水健司の作曲による美しいバラード。ここでは作曲者自身がハーモニカを吹いている。ハーモニカを初めてまだ間もないということだが、エモーショナルで素晴らしいソロだ。nananの新しい魅力が引き出されたナンバーだといえそうだ。